運営チームの村井です。
信州のプログラミング教育を牽引するデザインフェロープログラム,2日目の様子です。
二日目。今日はいよいよ「先生」の帽子をかぶりなおし,それぞれの教室でこの合宿の後実施していただく「おためし授業」の構想に取りかかります。まずは,今プログラミングについて思っている気持ちについて紹介するアイスブレイクゲームからスタート。希望にあふれているひと,やる気に満ちているひと,考えを整理しながら気を引き締めているひと。それぞれが色々な心持ちで真剣に向き合っていることに,心強さを感じました。
前日に紹介されたコンセプトをおさらいした後,クリエイティブ思考を支える学習環境をつくるため,「スクラッチ」のチームが心がけている4つのヒント,「低い床(low floor)」「高い天井(high ceiling)」「広い壁(wide wall)」そして「たくさんの道すじ(multiple pathways)」を紹介しました。どうやったら,初めての子でも安心して取り組めて,わかってきたらどんどん先に進むことができ,いろいろな興味や嗜好を,いろいろな切り口から表現するサポートができるのでしょうか。そんなことを頭のすみにおきながら,授業のデザインが始まりました。
この日は,イノベーターズ・コンパスというデザインツールを使って,①誰が対象で ,②その対象者はどんな特徴や条件をもっていて,③教師として自分は何を大切にしたくて,④それを反映するのによさそうなアクティビティにはどんなものがあって,⑤それを実施するにはどんなものが必要なのか,各自,紙やスライドを用いて各々明確にしていく作業です。
お昼の後,最終発表。予定時間を大幅に押しながら,ひとりひとり,今考えているアイデアとこれから考えていきたい課題や方向性について話しました。本当にバラエティに富んだ先生方のアイデアは圧倒でした。こんなに学ぶことに前向きに,一日目の体験をしっかり噛み砕いて授業の中に落とし込めるのはなかなかできないことだと思います。
私個人的には,特別支援クラスの先生方のお話の中にあった,プログラミングがいろいろな子どもたちの個性を活かした形で授業に参加できるようになるツールとして活用できるのではないかという点についてとても興味を持ちました。これは,特別支援クラスに関わらず,いろいろな得意・不得意や,嗜好をもつ全ての子どもたちにとっても言えることではないかと思います。
また,参加者の一人のT先生がおっしゃっていた「『これからプログラミングをやります』というのが一番言ってはいけないことなんだとわかりました」という言葉が印象に残りました。プログラミングでやるのではなくて,プログラミングを通じて実現できることを見せてあげること,それが先生方の役割なのかもしれないと最後にとてもしっくりきました。
この2日間のワークショップは,先生方がおためし授業を実施し,それをこのグループに持ち帰ってくるまでの約3ヶ月のプログラムのキックスタートでした。これからみんなでオンラインで相談しあい,助け合いながら,おためし授業の完成,実施まで一緒にやって行きます。こちらのブログで,先生方からも少しずつ報告がはじまりますので,ぜひお楽しみに。