デザインフェロー養成プログラム1日目(4/28)の様子

2018年5月17日

運営チームの村井です。

 信州のプログラミング教育を牽引するデザインフェロープログラム,いよいよスタートしました!
 心はもう半分ゴールデンウィークという4月の最後の週末,14名の小中学校の先生方が,長野県内あちこちから,信州大学教育学部ファブラボ長野に集まりました。
まずは到着順に,名札作り。パソコンなしで色紙を好きな形に簡単に切りとれるカッティングマシンを使って,みなさん思い思いの形を切りとったり,ペンやモールで飾り付けたりしたりしながら,一人ひとり個性豊かな名札が出来ている様子。

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全員集まった所で,自己紹介。先ほどの名札について触れつつ,「一番最近作ったもしくは壊したもの1つ」の紹介をしました。「朝ごはんを作った」という人から,「棚を作っていてうまく行かなくて壊した」という人まで,いろいろな物づくり話に花が咲きました。作った話にはストーリーがあり,壊した話には教訓があり,朝から非常に盛り上がる瞬間でした。
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 次に,このプログラムの主催である長野県教育委員会の,原山教育長からの一言でいよいよ一日の開始。村井の方からこのプログラムの概要説明をしたあと,信州大学FabLab長野の村松先生より,「プログラミングおすすめの理由」についての紹介がありました。
 プログラミングを使った学習は,①失敗することが前提であること,そして②すぐに先生を超える子どもがでてくること,が大きく今までの多くの学習アプローチと違っていて,さまざまな可能性があり,先生としてどのように向き合っていくか考える必要があると,非常にわかりやすい説明でした。

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  続いて,先生方のプログラミング教育に感じている可能性や疑問点・懸念点を,ポストイットを使って各チームごとに書き出してみました。この合宿中,このボードに何度となく戻って,みんなで集合知の壁を作っていきます。

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 その後,MITメディアラボ博士研究員である村井より,メディアラボが開発した,世界中で子どもたちに最も使われているプログラミングツールの一つである「スクラッチ」の背景にある「クリエイティブ学習」アプローチについて触れながら,今話題になっているプログラミング的思考とは,つまり「クリエイティブ思考」と呼ばれる,自分の目的を達成するために失敗を恐れずに実験や試行錯誤を重ね,他者と連携しながら物を作りだしていく力なのだという話をしました。
 さらに,クリエイティブ思考を身につけるために大切な4つのP(ピー),「プロジェクト(Project)」,「パッション(Passion,情熱)」,「ピア(Peer,仲間)」,「プレイ(Play,いじくりまわすこと)」について紹介。一日目は,生徒になって,この4Pの感触を実際に体験しながら確かめていただきます。

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 最初のプロジェクトは,「教室を◯◯にする」ものを作るというもの。micro:bitというボードと,専用のプログラミングツールを使い,それぞれのチームに出されたお題にのっとり,村松研究室の桂本さんのリードでいよいよ作業がスタートしました。
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 教室をおもしろくするもの,ということで,大きなハンマーとアルミホイルで包んだお皿を使ってダイナミックなじゃんけんゲームを作ったチーム,教室を元気にするもの,ということで元気の出る音楽がなる箱を作ったチーム。本当にバラエティに富んだ作品ができあがりました。
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 「クリエイティブスパイラル」という幼稚園児たちの学び方をモデル化したクリエイティブ学習のプロセスを参考にしながら,さっそく振り返り作業に入ります。プロジェクトに取り組んでいる間,どんな順番でどんなステップを踏んだでしょうか?どこで詰まったでしょうか?どこが楽しかったでしょうか?普段の授業と違う所はあるでしょうか?ものを作った時のプロセスについてみんなで考えました。
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 お昼を挟んで,午後は,同じく村松研究室の五味さんより「楽器をつくろう」プロジェクトの紹介でスタート。今度は,FabLab長野とこのプロジェクトの共同企画者である株式会社アソビズムのコラボレーションから生み出されたツール「Keyたっち」(これまたすごいツールなのですが,詳細はまた別の投稿で。)と,先ほども出てきたブロック型プログラミングツール「スクラッチ」を使って,楽器づくりがはじまりました。
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はたまた,一人ひとりが粘土を握りしめることで共同で演奏できる楽器を作ったチーム,さまざまな素材を水に濡らすことで思いもよらない楽器をつくりだしたチーム。これまた先生方の創造性が大いに発揮されていました。

 一区切りしたところで,ギャラリーウォーク。あるきまわって他のチームの作品を見て回ります。他のチームはどういうところに詰まって,どのようにそれを突破しているでしょうか?自分のチームの作品に取り入れられそうなアイデアは?物づくりにおいて,他の人のアイデアを拝借して,真似てみることは,「リミックス(Remix)」という大事な学びのプロセスです。思い思いな所に着目して,先生方もお互いにたくさん刺激を受けた様子でした。
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おやつを食べて,一息ついた所で,最後のプロジェクト「教室を◯◯にする 第2弾」。今度はスクラッチのプログラムも他の作品からリミックスして,さらに凝った作品作りに取りくむ先生方。
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 実はこのプロセス,各テーブルに設置されたiPadのタイムラプス機能を使って撮影していたんです。午後の振り返りでは,それをみんなでみながら,どのように試行錯誤がされていたのか,グループ内でどのように共同作業を行っていたのか,話し合い,面白いところ,難しいところ,みんなで考えました。
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今回の合宿には、実は日本のスクラッチを最初に広める第一人者であり、スクラッチ内の日本語のコミュニティを優しく見守る役割を果たしていらっしゃる青山学院大学の阿部和広先生が2日通して飛び入り参加。夕食前の時間を使ってさっそくいろいろな事例や必殺技をご披露いただきました。


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 そろそろ疲れが見えてきたところで,一日目終了。みなさんお疲れ様でした!
 場所を変えて,おいしいご飯を食べながらの情報交換会。なんと今日は原山教育長に加えて,後半から阿部県知事もご登場。みなさんでごちゃごちゃに混ざりながら,今日のお話,学校のお話,いろいろな話題が尽きることなく飛び交いました。
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